コミティア

コミティア(漫画を売る会)に久々に行った。元々参加する気がなくなっていて、多分もう参加しないと思うけど、たくさんの人に会えてうれしかった。

すごく簡単に、先に参加しなくなった理由を書くと、「自分の趣味であるDIYっぽさを感じないから」というのに尽きる。

コミティアは1回に4000サークルぐらいが参加する。サークル参加して当日自分のブースに行くと、まず大量のチラシを捨てるところから始まる。印刷業者とかそういうのがほとんどだけど、本当にたくさんある。これをクリアファイルとかポケットティッシュとか、分別して会場内の大きなゴミ箱に捨てに行く。この行為でまず僕は「自分は消費者だ」ということを感じる。

大量の印刷業者が「同人誌プラン」というのをやっていて、業者が用意したテンプレートに従ってデータ原稿を作って、業者が用意したアップローダーで納品すると家に本が届く。アカウントを取ってオンラインサービス上で即売会に参加登録して会場に向かって作ったものを売る。用意されたサービスを選んで利用してる顧客をやってる。微妙な程度問題なんだけど、僕の感覚では「おんぶにだっこ」すぎるなって感じがする。「果たしてこれだけサービスが整ってないとしたら、やってるかな?」と。

会場には「企業ブース」があり、漫画の画材や教本を売ったりしている。商業雑誌の「出張編集部」がある。なんていうか、学費払ってプロを目指してる専門学校の実戦的行事というなら、こんな感じが理想的な気がする。

良いと思う所も書いておくと、画一的ではないということだ。上記のような状況があっても、傾向を無視して勝手なことをしても許されるし、実際おもしろい雑多なものが発表されたりしている。場としてそういうカオスが残っていれば、自分が参加しないだけで、応援してる。会場のほんの一部なら、画材も売ってたら良いと思うし、雑誌への経路も面白いと思う。

また、見に来る・買いに来る人にとっては、色んなものを一度に合理的に楽しめる機会だ。ちょっと多すぎるから事前に調べないといけないけど。

簡単に書いても長くなっちゃった。とにかく僕は今回久々に行って、一言ずつ売り買いのやり取りぐらいしかできなかったけど、直接対面して本を渡せたのが嬉しかった。

応援してくれてて何が良かったとか何に期待してるとか言ってくれる人も、個展みたって教えてくれた人も、もちろん嬉しかった。「香山という人間には一切興味が無いが、作品をチェックしている」とか「今回だけ面白そうだから」って感じで素早く買っていく人、なんかめちゃくちゃ冷たく当たってくる人、そういう色んな距離の人がいるのを感じられるのが良かった。

何かを作って買ってもらっていると、全員が全員「愛好家」とは限らない。1人ぐらいは粗探しのために買ってる人もいるかもしれない。でもそういうのも含めて発信・制作だと思うし、普段それはなかなか感じられないから(それを感じてたらやってられないので、普段は励みになるものだけを感じている)、こうやってたまにそういうの感じるのも良いなと思った(でもそう思えるのも、好きでいてくれてる人とか応援してくれてる人がいるからだけど)。

一人、「フォントを使ってました」と教えてくれた人がいた。僕がホームページで無料のwindowsフォントを配布していたのは、1999〜2002年の3年間だ。まだ僕が18歳とかの頃なので、かなりやばいところを見られてるな、と思った。



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