黒字は難しい

【すこし低い孤高】おかげさまで、たくさんのかたに買ってもらえてます。【心のクウェート】と同じぐらいの速度だろうか、あんまり詳しく記録したりしてないから分からないけど。とにかく、すごくありがたいです。

自主制作の本は結構作ってるけど、なかなか毎回黒字にするのは難しい。いい本を作ろうとすると、自分を含めて参加者にきちんとした対価を払わないといけないし、それに見合った発行部数にすると管理費や発送費も膨らんでいく。

興味ある人向けにざっくり書くと、

  • 印刷費(A5/150ページ/白黒/1000冊):20〜30万円ぐらい
  • 150ページ作る労力(500〜1000時間・時給500円):25〜50万円
  • 管理費(1〜2年で売り切れば):5万円に収まるかな

この雑な最低ラインで制作費用合計50〜85万だ。

時給500円と書いたのは、1日8時間やって4000円、月に25日やると10万円になるからだ。なんとなく、死なない金額のように見える(僕はね…)。校正や雑務で手伝ってくれている人にはもちろん、ちゃんと払ってます。

自分に対しては、無理に「時給500円いくように描くぞ」って別に気にしてない。結果500いけば嬉しいし、満たなければ別で稼げば良いだけだ。あまり気にしないで中身にこだわれるのが自主制作。時間かけすぎて駄目になったり、自分が自分の奴隷になってしまう恐れもあるが。寡作になるのもさみしい。

また、バカ税金もあるし、最低ラインでは厳しい。1000時間で1冊作った直後にまた1000時間がんばって1冊作るような、文字通りの自転車操業をやらなくちゃいけない。そういうの、やってられない。大体この最低ラインの倍(100〜170万円)ぐらいいけたら、十分余裕とかインプットとか取材とかもできる感じかも。

何が言いたいかというと、「自主制作は、儲け狙ってるわけじゃないけど、世の中は金なので収支が厳しいと続けられない」ということ。これをクリアするためにコストカットして売上を上げていくのが商業のやり方だと思います。自主制作にはそれ以外のやり方や工夫が必要になる時も多い。石油王の出現、元から金持ち、最強のバイト発見、色々あると思います。

僕はどうしようかな、といつも思います。いろいろ数字を書いたけど、完全に好き放題作っているので100冊売れないとか全然不思議じゃない。ただただやってみるだけかもしれないし、完全によく分からない。状況が悪くなってもwebで無料自主連載して出版をやめればいいだけなんですが、近作いくつかが好評なのは本当にありがたいです。そういう意味ではおかげさまで「小商い」にできてるのかも。とにかくありがたいということをお伝えしたいです。



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