ヒントはピザ

サイゼリヤのキッズメニューには間違い探しがあり、毎回難易度が高いことで知られています。今日ひさびさにやったら、なかなか今までにないストレスデザインになってるように感じました。

キッズ問題の基本設計はこうです。

  • 10の間違いがある
  • そのうち2つぐらいは一瞬で発見できるように配置されている
  • そのうち2つぐらいは凶悪な難易度になっている

「なかなか見つからない凶悪エラー」を何度も探している間に、挑戦者のワーキングメモリを削ります。メモリが削れると、「あれ?今何個だっけ?」とかなって、もう一度クロールさせます。このクロール回数を稼いで、解答時間を伸ばすのが今までの方針です。凶悪エラーと戦いたいのに、それに集中できない。だから脱落児童(DJ)が多かったと思います。

通常のエラーは、

  • 左図にあって右図にない
  • 色が違う
  • 数が違う

といった、普通の間違いです。他方、凶悪エラーは

  • 角度が微妙に違う
  • 長さが微妙に違う

というものです。このタイプのエラーは毎回解法が決まっています。例えばスプーンの長さや角度は、「左図では皿に接しているが、右図では隙間がある」など、図中にある他のアイテムを手がかりにします。

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現行のものは、図中周囲に環状に配置された「料理皿」「絵画」には一切間違いが含まれていません(!)。図の中心に人間が集中していて、周囲に図案などが散らばっている。その間を、視線が往復するたびに、解答がないドーナツを必ず通過します。細かく自然に「無駄骨」を折り続ける形になります。

今回の図は、ドーナツ型(厳密にはU字)の配置になっているので、「12時から3時は探索済み」「6時から9時は後回し」など、整理しやすい構図になっています。これにより、凶悪エラーとの一騎打ちに集中できます。また、一度「環状地帯には間違いがない」と、自分を信じることができれば、それらを全部無視できるのでタイムは早くなります。ここも、「本当の敵は自分だった」というシナリオ可能性を高めていて美しい。



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