半身拘束

山下陽光さんが「つくった服がギャンギャン売れてるが遠い場所に売りに行ったりするのが楽しいがお金とかかかって利益が削られて、どうすりゃいいぜ」っぽい感じのことをブログで書いていた。 https://note.mu/ccttaa/n/nc930d3b32404

自分を通過するお金の流量が増えていること自体とても商売としてはうまくいっていることだろう。経営的に見ても、溜め込むよりずっと良い状態だといえる。自転車創業でも、車輪が大きくなったり速度が上がってる限りは強い。吸った空気全部吐いてても、深い呼吸できてれば良い的な。

だけど個人経営や個人制作の人の拘束時間は有限だ。1日に最大、たった24時間。セブンイレブンは店長クラスだけでも2万人いるので1日最大48万時間!

僕は時々、「半身拘束」というのをやってる。「東京に住んでるけど、大阪で1日だけトークイベントをやりたい」というときに、会場に画面置いてもらってskypeとかのビデオ通話をつないでもらうみたいな感じだ。フルで2500円取るようなイベントにはならないから会場によってはこういうのやりたがらないと思う。でも、入場300円のイベントとか、珍しい価格帯でできたりするので面白い。相場を崩した価格でやると、「崩れた価格が好きな人」が集まるのも良い。

東京大阪の移動は往復6時間と30000円かかる。早起きもしなきゃいけなかったりする。僕は乗り物酔いがひどいので時間の移動でできるのは落語の暗記ぐらいだ。隣がやばいオッサンだったらもう、蒸しパン食べて寝るしかできない。だから移動6時間で稼げる1万円ぐらいも逃す。つまり、行って帰ってくるだけで4万。だからこういう仕事の人は、遠征のときはできるだけ複数のイベントとか取材とかをまとめてやる。

だけどだけど、まとめないと遠くで何かできないのは嫌だ。栃木とか島根でも何かやりたい。ぜいたくだろうが、僕は、21世紀はそういうぜいたくを実現していく時代だと思う。

ただ会場に画面があって、そこで話すだけじゃユーチューブとかネットラジオとかとあまり変わらないけど、現地に僕のマブダチがいて、そのマブダチとのセッションなら一気に良い感じになる。そのマブダチもこっちに画面を置いて映せば2会場でできる。生身でできることは素敵だし大きいけど、それに劣るものでも、無との間に色んなものがある。

外国のzineフェスに委託で置いてもらったり、行けない結婚式にビデオメッセージを送るとか、そういうものの延長に過ぎないですが、お互いにそういうことを気軽に提案したり気軽に断ったりできたらいいな。「この日どうですか?」「無理ですね、秋ぐらいまではそういうの控えとこうと思ってて」「じゃあまた秋に声かけます」みたいな。海外に住んだら、もっと試したい。



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